オーガニックチョコレートは、最新トレンドから主流で必須なジャンルに発展しました。生活者はオーガニック商品への関心を高めており、製菓業界に多くのチャンスをもたらします。さらに多くのオーガニック商品が、確固たる地位の代表的なブランドの売り場だけでなく、ブティックやオーナシェフのお店からも売り出されています。小売業者はオーガニックという表示の可能性をますます認識しています。
成長するオーガニックチョコレートマーケット
オーガニックチョコレートはそれほど目新しいものではありません。英国のグリーン・アンド・ブラックス(「グリーン」はオーガニック、「ブラック」はダークチョコレートの象徴)などのブランドは、90年代初頭からこの分野をリードしてきました。このトレンドはそれ以降成長を続け、西欧では3,000万ユーロのマーケットになりました。このマーケットは、変化の少ない製菓マーケットでも毎年シェアを3%増加し続けると予想されています。
グリーン・アンド・ブラックスは30年後、新興企業から幅広い商品を持つ定評あるブランドへと進化しました。持続可能な農業と公平な調達方法につながるオーガニック商品に生活者の関心が向き、そのトレンドが2019年も続いていることは当然でしょう。(出典:Innova、2019年)
影響力の最大化
この新しいライフスタイルに対する生活者意識の分析から、「オーガニック」表示はさまざまな概念を連想させるため複雑な用語になっていることが強調されました。「オーガニック」という用語は通常、生活者が商品に求めているその他の価値を補足するものです。心理的なコンセプトは主に次の3つです。
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フェアトレード。倫理的な決定をする可能性をより多くの生活者が望むようになっており、カカオのオーガニックの原産は通常、より広いサステナビリティと公正な労働の主張と密接に関連しています。
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身体に良いこと(より健康的な素材)。生活者はよく「オーガニック」から「自然由来」を連想し、オーガニック商品を自然で健康的と考えます。こうした認識の結果、「より健康的な」砂糖やスーパーフードなどの商品がよく見られるようになりました。
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〇〇不使用。より良い食事と倫理的に生産された食品に対する生活者の要望から生じる可能性のあるヴィーガン志向は、成長中のまた別のライフスタイルです。オーガニックはヴィーガンの需要を補うことがよくあります。
プレミアム品質
チョコレート菓子では「量を減らすと健康に良い」という見方が目立つようになってきています。チョコレートは健康的でないという評判から、生活者はチョコレートを食べる量を減らし、より高品質の商品に切り替えています。味が良いだけでなく、さらに洗練されていたり、健康的であったりする商品が高品質と考えられています。
これらの商品は通常、より高価ですが「プレミアム品質」を望むトレンドにフィットしているため喜んで購入されます。
オーガニックのチョコレート菓子は、「高品質」にあたる項目の多くにチェックが入るため、マーケットよりも平均30%高い金額が相場となっています。このトレンドを利用するために、商品の提供にさまざまな戦略を組み込むことができます。
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チョコレートからナッツやその他の素材まで、すべてがオーガニックで調達された「基本」のオーガニックチョコレート商品を発売します。レシピでカカオの割合を強調して表示すると、品質の信用度がさらに上がります。
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より小さなポ-ションとより薄いフォーマットを探求することでより健康的な製品として恩恵を受けることができます。
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シングルオリジンカカオ(オーガニック由来と直接関連することが多いカカオ)または地元の特別な素材などのそこでしか収穫できない素材を使用して、より大胆なアプローチを取りましょう。